「昨日まで元気に走り回っていた子が、突然動けなくなる――。」
パテラ(膝蓋骨脱臼)という言葉は知っていても、それが自分の身に降りかかるまで、その重みを知る人は少ないかもしれません。
今回、同じ悩みを抱える飼い主さんの道標になればと、貴重な体験談を寄せてくださったのは、チワワとシーズーのミックス犬(1歳3ヶ月)の飼い主、もぐさんです。
1歳という若さで下した「手術」という大きな決断。そして、誰もが気になる「費用」と「術後」のリアル。歩んだ道のりを、余すことなくお届けします。
散歩中のアクシデント。突然の「動けない」という衝撃
襲った異変は、日常の何気ないお散歩中に起きました。
他のワンちゃんに驚き、逃げようとパニックになった瞬間、その場から全く動けなくなってしまったのです。
「パテラ グレード3」
診断は、残酷なものでした。「常に膝のお皿が外れており、手で押せば一時的に戻せる状態」。しかも両足。左足でかばいながら歩く姿を見て、もぐさんの不安は計り知れないものだったはずです。
「片足41万円」の重みと、手術を決めた理由
もぐさんが手術を決断したのは、「歩行困難」と「痛み」がはっきりと現れていたからです。特に右足の状態は深刻でした。
「このまま痛みを抱えて生きていくのか、それとも未来の自由を買うのか。」
先生と相談を重ね、もぐさんは手術を選択しました。そこで直面したのが、費用のリアルです。
通院・手術・入院すべて込みで、片足「41万円」。
この数字をどう捉えるかは人それぞれかもしれません。しかし、愛犬の自由を取り戻すための対価として、もぐさんはこの決断を下しました。
「絶対安静」という名の試練。術前・術後のリハビリ
手術さえすれば、すぐに元通り――というわけではありません。 待ち受けていたのは、想像以上に厳しい「安静生活」でした。
- 術前: 炎症を防ぐため、サークルから出すのは一切禁止。
- 術後: 先生の指示を徹底。お散歩は10分程度。コンクリートの上は極力避ける。
特に活発な1歳の子をサークルの中に閉じ込めておくのは、飼い主としても胸が締め付けられる時間です。しかし、術後1ヶ月、少しずつ、少しずつ。「普通の生活」への階段を登っていきました。
「今は、普通に歩けるし、走れるようになりました」
その一言が、すべての苦労が報われた瞬間でした。
パテラ対策・三種の神器
もぐさんが、健康維持と術後のケアで「実際に助けられた」と語るアイテムたちをご紹介します。
① 滑らない床こそ、最大の防御
お家の中ではジョイントマットと滑らないマットを併用し、部屋中を敷き詰めたそうです。 さらに、爪切りと足裏の毛のカットをこまめに行うこと。これは、お金をかけずにできる最強のパテラ対策です。
② 身体を作る「食」の選択
愛用しているのは、「ミシュワン」と「ヒルズ」。
③ 【神アイテム】背中開きのロンパース
もぐさんが「本当に助かった!」と断言するのが、後ろ足までカバーできる「背中開きのロンパース」。 術後の傷口を保護しつつ、脱ぎ着がしやすいこの服は、安静期のチワズーちゃんにとって最高の「戦闘服」となりました。
いま、パテラで悩んでいるあなたへ
最後にもぐさんから、今まさに手術や治療で悩んでいる飼い主さんへ、力強いメッセージをいただきました。
「整形外科の専門医がいる病院に相談することをお勧めします。」
「優しい先生」も素敵ですが、パテラのような高度な技術を要する疾患には、「確かな腕」を持つプロフェッショナルが必要です。
もぐさんの体験談が、あなたの愛犬の「一歩」を踏み出す勇気になりますように。
執筆協力:もぐさん
編集後記
もぐさん、貴重なお話をありがとうございました。 当メディアでは、パテラと戦う飼い主さんの「生の声」を引き続き募集しています。あなたの1つの経験が、どこかで涙している誰かの希望になります。

