パテラに負けない「筋肉貯金」の作り方。いつものフードに足すだけの高タンパク食材3選

パテラに負けない「筋肉貯金」の作り方。 パテラ対策・ケア

「愛犬がパテラと診断されたけれど、手術はせずに温存療法で様子を見ることになった」 「将来パテラが悪化して、歩けなくなったらどうしよう…」

そんな不安を抱える飼い主さんに、今日から絶対にはじめてほしいのが愛犬の「筋肉貯金」です。前回の記事でも少し触れましたが、パテラと上手く付き合っていく上で「太もも周りの筋肉」は最も強力な武器になります。

この記事では、パテラケアになぜ筋肉が必須なのかという理由と、いつものドッグフードに「ちょい足し(トッピング)」するだけで効率よく筋肉の材料となる、スーパーで買える高タンパク食材を3つ厳選してご紹介します。

なぜパテラケアに「筋肉」が一番大切なのか?

パテラ(膝蓋骨脱臼)は、膝のお皿の骨がカチッとハマるべき溝から外れてしまう状態です。実は、この膝の関節の周りを覆い、お皿が外れないようにガッチリと支えてくれているのが「太ももの筋肉」なのです。

つまり、太ももにしっかりとした筋肉がついていれば、それが「天然のサポーター(コルセット)」となり、骨がズレるのを物理的に防いだり、歩行時の膝への負担を大きく減らしたりしてくれます。

しかし、犬も人間と同じように、シニア期(7〜8歳以降)に入ると何もしなければ自然と筋肉量は落ちていきます。だからこそ、若くて元気なうちから良質なタンパク質を摂り、筋肉を蓄えておく「筋肉貯金」をしておくことが、将来の寝たきりを防ぐ最大の予防線になります。

スーパーで買える!手軽な「高タンパク・低脂質」食材3選

筋肉の材料となるのは「タンパク質」です。しかし、お肉なら何でも良いわけではありません。パテラの大敵である「肥満」を防ぐため、脂肪分が少なくタンパク質が豊富な「高タンパク・低脂質」の食材を選ぶのが鉄則です。

今日からスーパーで買ってきてすぐに追加できる、おすすめのトッピング食材を3つご紹介します。

【1. 王道にして最強!「鶏のささみ・むね肉」】

犬の手作りごはんの定番ですが、やはり筋肉づくりにおいて鶏ささみ(または皮を取ったむね肉)は非常に優秀です。脂質が極めて少なく、消化吸収に優れた良質なタンパク質のかたまりです。 ・与え方のコツ:しっかり中まで茹でて、細かくほぐしてフードに乗せます。茹で汁にも旨味が溶け出しているので、少しだけフードにかけてふやかしてあげると、水分補給にもなり食いつきが格段にアップします。

【2. お腹に優しくアレルギーも出にくい「白身魚(タラなど)」】

鶏肉のアレルギーがある子や、お腹が少しデリケートな子におすすめなのが白身魚です。特にタラなどは脂質が少なく、良質なタンパク質が豊富です。シニア犬でも消化しやすいのが大きなメリットです。 ・与え方のコツ:塩分が含まれていない生魚(切り身)を選び、しっかり茹でるか蒸します。与える前に、必ず飼い主さんの指でほぐしながら「小骨」が一切残っていないかを徹底的に確認してください。

【3. 植物性の優しいタンパク源「お豆腐(木綿)」】

お肉や魚だけでなく、植物性タンパク質も取り入れたい時に便利なお豆腐。実は絹ごし豆腐よりも「木綿豆腐」の方が水分が少なく、タンパク質がギュッと詰まっているのでトッピングには向いています。 ・与え方のコツ:冷蔵庫から出してすぐの冷たい状態だとお腹を壊す原因になるため、少しお湯をかけるかレンジで人肌程度に温めてから、細かく崩して混ぜてあげましょう。

【要注意】筋肉をつけたいからこそ守るべき「2つの鉄則」

良質なタンパク質をトッピングする際、絶対に忘れてはいけない注意点が2つあります。

1つ目は、前回の記事でもお伝えした「トッピングは1日の総カロリーの10%以内にする」という黄金ルールです。筋肉をつけたいからと大量のお肉をあげて太ってしまっては、膝への負担が増して逆効果になります。トッピングした分のカロリーは、必ずベースのドッグフードを減らして相殺してください。

2つ目は、「食べているだけでは筋肉はつかない」という事実です。 良質なタンパク質はあくまで「筋肉の材料」です。それを本当の筋肉に変えるためには、滑り止めマットを敷いた安全な室内での運動や、坂道などを取り入れた適度なお散歩が絶対にセットで必要になります。「良質な食事」と「適度な運動」の両輪を回すことを意識してくださいね。

まとめ:毎日の「ひとくち」が将来の元気を支える

いつものごはんに、ほんの少し「タンパク質」を意識してちょい足しする。その小さな一手間が、愛犬の膝を守るコルセット(筋肉)を作り、数年後の元気に走る姿へと繋がります。

愛犬の好みや体質に合わせて、まずは「鶏ささみ」あたりから、無理のない範囲でトッピングを楽しんでみてくださいね。

次回は、パテラで骨が外れた時に起こる「関節の炎症(痛み)」を食事でケアするための、オメガ3脂肪酸(青魚パワー)について詳しく解説します。痛みを少しでも和らげてあげたい飼い主さんは、ぜひ次回の記事もチェックしてください!